アメリカで認められた瞬間
こんにちは!
おとなの英語予備校、代表の谷口翔太です。
アメリカに留学してしばらく経った頃、ある授業で自分の住んでいる街についてプレゼンをするという課題が出ました。
特にプレゼンの時間やスタイルは指定されていなくて(本当は指定されていたのかもしれませんが、当時のボクの英語力ではそこまで状況がわかっていませんでした…)、とにかく全員が自分の住んでいる街について教室の前で発表することになったんです。
確か課題の準備には1~2週間もらえたと思います。
しかしまだ留学したばかりのボクにはハードルが高過ぎました。
何をどうしていいのか全くわからないまま、時間だけが過ぎていきました。
友だちがいれば、相談することもできたでしょうが、そのとき友だちは一人もいない状況。
家に帰ってホストファミリーに相談するだけの英語力もなく、結局プレゼンの日が来てしまいました。
ちなみにプレゼンの順番は決められておらず、やりたい人からどんどん前に出て発表していくという形式。
恐らく、日本だと順番を決めていないと自分から積極的に前に出るということはあまりないと思うのですが、そこはさすがアメリカ!
誰に言われるわけでもなく、次々と前に出てプレゼンをしていくではありませんか!
しかもみんな人前で話すことにすごく慣れている印象でした。
結果的にアメリカの学校に通ってみてわかったことですが、アメリカでは人前で話す機会が多いんです。
だからクラスメートを見て、人前で話すことに慣れている印象を受けたのかもしれません。
とにかくみんなの話し方がすごくて、本当にレベルの違いを見せつけられた感じです。
中にはパワーポイントまで使って説明するヤツまで現れる始末…
「マジで何なんだコイツらは!」と思いました(笑)
結局その日は全員が発表し切れず、残りのメンバーは次の授業で発表することになりました。
何も準備していなかったボクはホッとすると同時に、もう後がない状況まで追い込まれました。
いよいよ発表当日、残りのクラスメートがプレゼンをしていく中、留学生のボクは最後に残りました。
教室の前に出て、準備した言葉を絞り出しました。
そのときの内容は今でもはっきり覚えています。
“I live in Kirkland. Kirkland is a very beautiful place.” 「ボクはカークランドに住んでいます。カークランドはとても美しい場所です。」 |
当時のボクにできた精一杯の英語。
そしてこの後に、辞書で調べておいたあるフレーズを言うと決めていました。
タイミングを狙ってボクが放った言葉、それは…
“That’s all.” 「これだけです。」 |
その瞬間、クラス中が笑いに包まれました。
それはボクのシナリオ通りの結果でした。
自分の英語力でプレゼンをするには限界がある。
だったら自分の英語力のなさを武器に変えて、笑いを取りにいく!
準備段階でボクはそう覚悟を決めていました。
正直、先生も含めクラスのみんなが笑ってくれたことでホントに安堵したのを覚えています。
友だちのいないボクにとって、それはイチかバチかの賭けでしたから。
無事に笑いを取ることに成功したボクが、自分の席に戻ると、周りに座っていたクラスメートがいろいろ話しかけてきてくれました。
「めっちゃおもしろかった」
「最高だった」
それからクラスメートがボクという人間に興味を持ってくれて、そこから友だちの輪が広がっていきました。
この“短すぎるスピーチ”は、ボクが初めてアメリカの人たちに認めてもらえた瞬間だったんです。
今日も応援していますね!
英語学習がんばってください:)