その場面でwishを使うとマズイです・・・
こんにちは!
おとなの英語予備校の谷口翔太です。
英語で「~だといいな」とか、
「~になりますように」という表現をしたいとき、
多くの人がwishを使いがちです。
もちろんwishにはこのような意味がありますから、
問題ない場面もあります。
でも逆に問題がある場面もあるんです。
今回は、「望む」という意味を持つ
hopeとwishを比較しながら、
明確な使い分けを解説したいと思います。
▶ hope
hope that SVというカタチで、
「SがVすることを望んでいる」という意味です。
thatの後ろで望む内容を伝えます。
I hope {that} it will not rain tomorrow.
「明日雨が降らなければいいなあ」
that it will not rain tomorrowは望む内容ですね。
「明日雨が降らないこと」を望んでいるってことです。
ちなみに接続詞thatは省略が可能です。
カンタンですよね。
では、今度はwishの使い方を見てみましょう。
▶ wish
wishもhopeと同じように、後ろにthat SVをとれます。
thatの後ろに望む内容がきますが、hopeとは違いがあります。
例文を見てみましょう。
I wish {that} I were a little younger.
「もうちょっと若かったらなあ」
I wish {that} I could sing like Ronnie James Dio.
「ロニー・ジェイムス・ディオのように歌えたらいいなあ」
さあ、さっきのhopeとの違いがわかりますか?
実はwish that SVのSVは
必ず仮定法でなければなりません。
仮定法とは、“ありえないこと”です。
仮定法なので、動詞のカタチは
過去形になっていることにも注意。
I were a little youngerは、
「今よりももう少し若ければ」ということですから、
現実的に年齢が若くなることは
“ありえない”のでwishを使います。
I could sing like Ronnie James Dioも、
「ディオのように歌えたら」ということなので、
現実では彼のように歌を“歌えない”わけですから、
wishなんです。
ちなみにRonnie James Dioは
さまざまな有名バンドでも活躍した
HR/HM系のシンガーです。
個人的な趣味ですみません・・・(笑)
さあ、hopeとの違いがわかりましたか?
hope that SV | → 現実的にありえることを望む |
---|---|
wish that SV | → 現実的にありえないことを望む |
これを踏まえて、ちょっと英作文に挑戦してみましょう。
体調を崩している人に、
「あなたがすぐによくなることを望んでいます」
と伝えたいとき、どう言えばいいでしょうか?
正解は、
I hope {that} you will get well soon.
です。
get wellは「体調がよくなる」という意味。
このメッセージを伝えるときには、
wishではなく、hopeがふさわしいです。
なぜなら、体調がよくなることは
現実的に“ありえる”話ですし、
実際にそうなってほしいですもんね。
これがwishを使ってしまうと仮定法ですから、
相手の体調がよくなることは
“ありえない”ってことになっちゃいます。
お気をつけください。
▶ wish+人+モノ
wish that SVのカタチを使うときは、“ありえない”内容だとお伝えしましたが、
実はwishにはふつうに望む内容を伝えるカタチもあります。
こちらも英会話で非常によく使う表現なので、
最後にもうひとつだけwishの語法をご紹介しておきます。
I wish you good luck.
「幸運を祈っています」
Wish me luck.
「幸運を祈っていてください」
I wish you a Merry Christmas.
「楽しいクリスマスになりますように」
これらはすべてwish+人+モノのカタチをしていて、
文型では第4文型SVOOになります。
このカタチでは、ふつうに望む内容なので、
仮定法ではありません。
ちなみにhopeにはこのカタチがありません。
いかがでしたか?
hopeとwishには他にも表現がありますが、
今回は日常でよく使われるものだけを取り上げました。
まずは今回の表現をマスターして、
使い分けができるようにしてくださいね。
応援しています!
英語学習がんばってください:)