2024年09月17日

【アメリカ英語 VS イギリス英語】どちらを学ぶべき?両者の違いを解説します

アメリカ英語 イギリス英語 違い
多くの人は英語を学んでいく際に「英語にはアメリカ英語とイギリス英語という主に2種類がある」ということに気が付きます。学校の授業で学んでいた頃はそれほど気にすることがないかもしれませんが、実際に外国に行くと、その大きな違いを肌で感じるものです。

そこで今回は、アメリカ英語とイギリス英語について、なぜ違いがあるのか、実際にどのように違うのか、ではどちらを学ぶべきなのか、といったことを解説していきます。両者の違いを知りたい方、どちらを学ぶべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。

 

アメリカ英語とイギリス英語はなぜ違いがあるの?

アメリカ英語とイギリス英語が違う理由をシンプルにいえば、それぞれができあがった歴史的背景が異なるためです。

 

イギリスで発祥し、さまざまな言語に影響されて完成した「イギリス英語」

4世紀頃、イギリスで英語の元となった言語が発生しました。当初はドイツ語に近い言語であったといわれ、次第にノルド語(ノルウェー語、デンマーク語、スウェーデン語の起源)やフランス語などから影響を受け、18世紀頃には現在のイギリス英語になったといわれています。

かつてイギリスの植民地だった国はいくつかありますが、現在でもイギリス寄りの英語が共通言語となっているのはオーストラリア、ニュージーランドなどです。

 

イギリスからの移民によってアメリカに伝わり大きく変化したのが「アメリカ英語」

イギリス英語は、17世紀に移民によってアメリカにも伝わりました。その後18世紀の独立戦争を経て、イギリスへの対抗心からアメリカ独特の英語、つまりアメリカ英語へと変化していきました。

さらには19世紀初めの米英戦争があり、「イギリスからの移民→アメリカ人である」という意識が強くなります。そこで、アメリカ英語独自の英語辞書が作られるなどして、イギリス英語とは異なるアメリカ英語が完成したのです。

ちなみに、かつてアメリカに統治されていたフィリピンはアメリカ英語寄り、イギリスの植民地だった歴史を持ちながらも、アメリカの隣にあるカナダはイギリス英語とアメリカ英語の両方がミックスされているといわれています。

 

アメリカ英語とイギリス英語の違いとは

では、アメリカ英語とイギリス英語は具体的にどのような点で異なるのでしょうか。発音やスペリングなどの面から、両者の違いを見ていきましょう。

 

【アメリカ英語 VS イギリス英語】単語そのものの違い

日本語でも地方によってものの呼び名に違いがあることがあります。同様に、アメリカ英語とイギリス英語でも、同じものなのに単語そのものが異なるケースがありますのでご紹介しましょう。

 

【単語そのものの違い】

単語の意味 アメリカ英語 イギリス英語
運転免許証 driver’s license driving license
fall autumn
エレベーター elevator lift
1階 first floor ground floor
ガソリンスタンド gas station petrol station
荷物 baggage luggage
トイレ restroom/bathroom toilet
地下鉄 subway underground

 

【アメリカ英語 VS イギリス英語】発音の違い

中には同じスペリングでも、次のように両者で発音が大きく異なる英単語があります。

 

【スペルが同じでも発音が違う単語】

  単語 アメリカ英語 イギリス英語
Tの発音 water ワラー ウォーター
party パーリー パーティー
Aの発音 potato ポティトォー ポタート
can キャン カン
Rの発音 store ストー ストァ
car カーァ カー

 

Tは、イギリス英語でははっきりと発音されますが、アメリカ英語では「D」や「R」のように発音します。

Aは、イギリス英語では「ア」、アメリカ英語では「エィ」のように聞こえます。

Rは、イギリス英語では「R」の発音が含まれず、一方のアメリカ英語では巻き舌のように発音します。

 

【アメリカ英語 VS イギリス英語】文法の違い

両者には、次のような文法上の違いもあります。

 

【主な文法の違い】

  アメリカ英語 イギリス英語
①過去形、過去分詞の末尾 ed t
learned、burnedなど learnt、burntなど
②集合名詞 単数形で扱う 単数形or複数形で扱う
family、team、band、audienceなど
③過去に起きたことを表現する際の時制 過去形、現在完了形のどちらでもOK 現在完了を使うことがほとんど
④一般的によく使われる助動詞 カジュアルな助動詞 フォーマルな助動詞
will、shouldなど shallなど

 

②については、「family」など特定の集合名詞に対する動詞が、アメリカ英語では単数形(isなど)を使いますが、イギリス英語では複数形(areなど)も使われることがあります。

③についてですが、過去に起きたことを表現する際には、アメリカ英語では過去形と現在完了形のどちらを使っても違和感はありませんが、イギリス英語では現在完了形を使うことが多いようです。

 

【アメリカ英語 VS イギリス英語】スペリング(つづり)の違い

両者でスペリングが異なる代表的なものは、次の6種類です。

 

【スペリングの違い】

  アメリカ英語(例) イギリス英語(例)
①er(米)とre(英) center
letter
centre
lettre
②ze(米)とse(英) apologize
recognize
apologise
recognise
③or(米)とour(英) color
favorite
colour
favourite
④e(米)とae/oe(英) maneuver
pediatric
manoeuvre
paediatric
⑤og(米)とogue(英) catalog
dialog/dialogue
catalogue
dialogue
⑥l(米)とll(英) canceled
jewelry
cancelled
jewellery

 

⑥については、「l」が末尾にくる単語を名詞または動名詞にする際に、アメリカ英語では「l」のままですが、イギリス英語では「ll」にします。

 

アメリカ英語とイギリス英語、どちらを学ぶべき?

アメリカ英語とイギリス英語には発音をはじめいくつか違いがありますが、どちらを学習した場合でも世界で通用します。どちらを学ぶべきか迷った方のために、こちらでは、基本的な選び方をご紹介しましょう。

 

世界の標準語を学びたいなら「イギリス英語」

イギリス英語は「世界の標準語」として広く認識されています。ヨーロッパの学生が第2外国語として学ぶのはイギリス英語であり、東南アジアなど多くの国から英語を学ぶ留学先としてイギリスが選ばれることが多いといわれています。

ビジネスにおいても、イギリス英語を学んでおけばいい印象となることが多いため、世界のどこに行っても役立つでしょう。

 

ビジネスの範囲が米国内に限定されるなら「アメリカ英語」

ビジネス英語を使う範囲がアメリカ国内のみの場合には、初めからアメリカ英語を学習していくほうが効率的です。発音やリスニングなども、アメリカ英語の講師やネイティブから学ぶといいでしょう。

アメリカ英語の映画やドラマを見て、アメリカ英語での会話でよく使われるフレーズなどを身に付け、耳慣れしていくのもおすすめです。

 

好きな国で選ぶのも正解

英語が公用語となっている国では、イギリス英語とアメリカ英語のどちらかに寄っているケースが多いです。

そこで、自身が行ってみたいと思っている国で使われている英語を学ぶというのも、自然な動機ですので、モチベーション維持につながるというメリットもあります。

 

  • アメリカ英語寄りの国…アメリカ、フィリピンなど
  • イギリス英語寄りの国…イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、香港(中国)など
  • 両方のミックス英語…カナダなど

 

まとめ

アメリカ英語とイギリス英語がさまざまな面で異なるのは、できあがった歴史的背景が違うためです。双方は、同じものを表すのに単語そのものが違っていたり、発音やスペリングが違っていたりするものもあります。

また、文法にも少々違いがありますので、どちらを学ぶか迷ったときは、ご紹介した基準で選択すると良いでしょう。どちらを学ぶにしても、英語は基礎をしっかり叩き込むことが大切です。

英語の勉強を基礎からやり直したい、苦手意識があるけれど仕事で必要なので勉強したいといった方は、「おとなの英語予備校」へぜひご相談ください。英語に限らず、どんなことでも基礎が重要です。基礎がしっかりしていなければTOEICや英会話の上達は絶対にありえません。まずは英語の基礎を学ぶ学習習慣を身に付けましょう。